Codex CLI 0.152.0の変更点:MCP出力制限を中心に解説
Codex CLI 0.152.0で追加されたMCPツール別の出力トークン制限を中心に、6つの新機能を整理。output_token_limitの仕組み、Context7での設定例、app serverのタイムアウト、Vim検索、認証復旧、レート制限表示まで、実務への影響と導入判断を解説します。

Codex CLI 0.152.0は2026年9月1日にリリースされ、6つの新機能が加わりました。ただし、このリリースの本質は、ツールを多用する長時間の実行に、より明確な境界を設けた点にあります。最大の変更は、どのMCPツールにも同じフォールバックポリシーを適用するのではなく、モデルに渡す各ツールの出力量を個別に制限できるようになったことです。
Codex CLI 0.152.0の要点
これは制御性と信頼性を高めるリリースであり、新モデルの登場でも料金改定でもありません。Codexをシンプルなターミナル型コーディングエージェントとして使っている場合、目に見える改善は、レート制限メッセージ、認証情報の復旧状況、長い下書き内でのVim検索が分かりやすくなったことです。
CodexをMCP経由で外部システムに接続している場合や、Codex app serverを基盤に開発している場合は、さらに大きな変更があります。MCPはModel Context Protocolの略で、ドキュメント検索、Figma、GitHub、社内サービスなどのツールをCodexから呼び出すための接続レイヤーです。バージョン0.152.0では、こうしたツールごとに個別の出力バジェットを設定できます。
今回追加された6つの新機能を、影響を受ける利用者別に整理すると次のとおりです。
特に理解しておきたいのは最初の項目です。Codexが作業中に引き継ぐツール出力の量を、ツール単位で変えられるようになりました。
MCPの出力制限で何が変わるのか
MCPツールは大量の情報を返すことがあります。ドキュメント検索なら長いページが複数返り、ログ検索なら多数の行が並ぶこともあります。Codexはその結果を、現在のタスクにおけるモデルの短期記憶にあたる作業コンテキストへ取り込まなければなりません。
ツール単位の設定がなければ、MCP出力には引き続き、使用中のモデルが持つ通常の切り詰めポリシーがフォールバックとして適用されます。0.152.0では、特定のMCPサーバー配下にある特定のツールへ、新しいoutput_token_limit設定を追加できます。するとCodexは、モデルへ渡すそのツールの結果を、設定したトークンバジェットに収まるよう切り詰めます。
重要なのは、対象がモデルに渡される出力だという点です。この上限は、結果がモデルのコンテキストと会話履歴へ入る段階で適用されます。MCPサーバー側の処理量は減らず、Code Modeには引き続き未加工の結果が渡ります。再開したセッションやツール実行後のフック応答にも同じ実効バジェットが引き継がれるため、スレッドを開き直しても、出力枠がひそかに元の大きさへ戻ることはありません。

MCP出力制限が重要な理由
これにより、考えるべきことは「このモデルが許容できるツール出力の量」から「このツールが役割を果たすために必要な量」へ変わります。ライブラリの参照ツールと、本番ログを大量に返すツールに、同じ答えを当てはめる必要はもうありません。
安全策は2つあります。値は正数でなければならないため、0と負の値は拒否されます。プラグインポリシーとユーザー設定の両方に制限がある場合は、小さい方が優先されます。ツールの承認は別の仕組みなので、出力バジェットを小さくしてもツールが承認されるわけではなく、Codexが呼び出し前に確認するタイミングも変わりません。
誰にどう役立つのか
出力の多いドキュメントツールを使う個人開発者
個人でSaaSを開発している場合、広範囲を検索するドキュメントツールが、コーディング作業の残りのコンテキストを圧迫するのを防げます。長いページを返すツールだけに明示的なバジェットを設定し、精度の高い参照ツールはそのままにすれば、リポジトリ、計画、差分に使える作業コンテキストを多く残せます。
0.152.0の用途として最も分かりやすいのは、ノイズの発生源に合わせて境界を置ける点です。1つのツールが返しすぎるという理由だけで、すべてのツールを一律に縮小する必要はありません。
app serverで長時間ジョブを動かすプラットフォームエンジニア
新しいtimeoutMsフィールドは、app serverのthread/shellCommandメソッドで使います。MCPのtool_timeout_sec設定とは別物です。
この違いは重要です。MCPツールの現在のデフォルト実行タイムアウトは60秒ですが、app serverのシェルコマンドは、timeoutMsを省略するかnullにすると1時間のデフォルトが維持されます。ビルド、移行、テストスイートに長い時間が必要だと分かっている場合、app serverクライアントからより長い期限を指定できるようになりました。timeoutMsを0にすると即座にタイムアウトし、不正な負の値は拒否されます。
補助コマンドがタイムアウトしても、進行中のエージェントターンは止まりません。そのターンに作業を続けさせるのか、新しい指示を与えるのか、別途中断するのかは、クライアント側で判断する必要があります。
長い指示文を書くVim中心の開発者
Vimモードで下書き自体を検索できるようになりました。/は前方、?は後方を検索し、nまたはNで端まで達した後も折り返しながら検索を繰り返せます。検索は削除、変更、ヤンクの各操作とも組み合わせられ、検索語がプロンプト本文に混ざることもありません。
ターミナルで複数段落にわたるタスク指示を書くまでは、小さな改善に見えるかもしれません。しかし実際に長文を書く場面では、同じ名前を探して直すだけのためにエディターへコピーする手間がなくなります。
Bedrockを利用するエンタープライズチーム
期限切れのプロバイダー認証情報は、これまで実行が止まったように見えがちでした。Codexはプロバイダー認証の復旧について、安定した開始通知と完了通知を発行し、その進捗を対話型TUIとcodex execの両方に表示するようになりました。
Amazon Bedrock経由で利用する開発チームにとって、これは運用状況を明確にする改善です。CIログを見れば、長い停止から推測しなくても、「エージェントが作業中」なのか「プロバイダーのセッションを再認証中」なのかを区別できます。
実際のパッケージ名を保ちたいプラグイン開発者
MCPサーバー名で使用できる文字に、:、@、/、.が加わりました。npm:@modelcontextprotocol/server-sequential.thinkingのような名前を、mcp add、get、list、removeの各操作でそのまま使い、実行時のツール名前空間やOAuth認証情報でも同じ識別子を維持できます。
これにより、面倒な別名付けが1つ不要になります。パッケージ座標、設定名、認証情報の識別子を揃えたまま運用できます。
利用上限に繰り返し達するチーム
ターミナルは、レート制限の通知を次の行動につなげられるようになりました。対応するバナーから、利用状況、クレジット、リセット、オーナーへの通知、プラン管理へ移動できます。復旧中はCodexが利用状況を更新し、古い応答を拒否し、状態が最新になるまでキュー内の入力を一時停止します。バックエンドのバナーから、スレッド内の無関係な設定を書き換えることなく、最初に利用できるフォールバックモデルへ切り替えることも可能です。
利用枠そのものが増えるわけではありません。境界が理解しやすくなり、ターミナルから有用な案内先へ移動できるようになる変更です。
実在するMCPサーバーを使ったCodex CLI設定例
新しい設定形式を最短で確かめるなら、Context7で試すのが分かりやすいでしょう。Context7は、Codexのセットアップガイドでも使われているドキュメント用MCPサーバーです。query-docsツールは既知のライブラリIDに対応するドキュメントを取得するため、明示的な出力バジェットを設定する対象として適しています。
リリースをインストールする
新しい設定キーを使えるよう、対象リリースに固定します。
Bashnpm install -g @openai/codex@0.152.0Context7を追加する
現在のCodex MCPガイドに記載されたコマンドを、そのまま実行します。
Bashcodex mcp add context7 -- npx -y @upstash/context7-mcpツールのバジェットを設定する
~/.codex/config.tomlを開き、Context7サーバーのエントリーの下に次のテーブルを追加します。TOML[mcp_servers.context7.tools.query-docs] output_token_limit = 3000030,000という値は、Codex自身のシリアライズテストで使われたものです。これは受け付けられる設定形式を示す値であり、あらゆる用途に適した推奨値ではありません。まずはプロンプトに必要な根拠が欠けない最小の出力量から始め、実際の結果が途中で切れる場合に引き上げてください。接続を確認する
codex mcp listを実行し、サーバーが設定されていることを確認します。ターミナルUIでは、/mcpからセッションで利用できる有効なサーバーを確認できます。
導入前に知っておきたい注意点
ツール別の切り詰めは安全策であり、情報を損なわずに圧縮できる仕組みではありません。制限を低くしすぎると、問題の原因を示す重要なログ行やドキュメントの但し書きをCodexが見落とす可能性があります。プラグインとユーザーのポリシーが重なる場合は小さい方が優先されるため、プラグインポリシーによって、自分の設定ファイルに書いた値より実効バジェットが小さくなることもあります。
設定したバジェットの後段には、モデルリクエストへ結果を格納する際に必要な追加構造を収めるため、標準で20%のシリアライズ余裕枠も設けられています。この値は実用上のバジェットであり、シリアライズ後のすべてのペイロードに、指定した数のトークンが正確に含まれるという保証ではありません。
0.152.0の残りは、実用的なメンテナンス改善です。呼び出し元が作業ディレクトリを指定しなければ、再開したスレッドは保存済みの作業ディレクトリを復元します。自動承認レビューでは、履歴の圧縮後もより多くの指示と有効な認可が維持されます。キャッシュ更新やリモートプラグインの変更後も、MCPツールの動作が安定しました。いずれも、モデルのコーディング能力、プラン料金、利用枠を変えるものではありません。
Codex CLI 0.152.0へ今アップグレードすべきか
複数のMCPツールを運用している、app serverを組み込んでいる、Vimモードで長いプロンプトを書く、Bedrock経由で利用している、またはレート制限に頻繁に達するなら、今週中のアップグレードが適しています。いずれも移行範囲が狭く、ワークフローを直接改善する変更です。
組織でCLIのバージョンを一元管理している場合は待つのが妥当です。公開設定ページはまだツール別の出力キーに追いついていないため、ポリシーバンドルの担当者が新しいフィールドを検証し、実際の出力を基に制限値を決める時間を確保してください。
ChatGPTをWebまたはモバイルで使うだけなら、今回のリリースでワークフローは変わりません。Codexが自分たちの開発スタイルに合うかを検討している段階なら、まずはCodex、Claude Code、Cursorの比較を読む方が役立ちます。
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2026年9月2日



