Zed editorレビュー:AI・料金・拡張機能から考える移行の条件
Zed editorの使い方、AIエージェント、料金、拡張機能を公式資料に基づいて解説します。ネイティブ編集と共同作業の強みから、Cursor・VS Codeとの違い、デバッグやチーム管理の制約まで整理。今の開発環境から移行すべきか、実際のプロジェクトで確かめるポイントと導入手順が分かります。
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高速なネイティブエディタで開発したい、コーディングエージェントも自由に選びたい。その両方を求めるなら、Zed editorへの乗り換えを検討する価値があります。AIの利用方法は3通りあり、Zed標準のエージェントを使うほか、外部エージェントを接続したり、エディタ内でコマンドラインのエージェントを動かしたりできます。一方、日々の作業に欠かせない拡張機能やデバッグ設定を作り直す余裕がないなら、Visual Studio CodeやCursorを使い続けるのがよいでしょう。
Zed editorとは?エディタとAIを別々に選べる開発環境
ZedはRustで開発されたオープンソースのコードエディタです。共同編集とAI支援をアプリケーション自体に備えています。Visual Studio Code系エディタの代わりとして使え、特定のコーディングエージェントに縛られません。標準のZed Agentを使う、連携機能でAnthropicのClaude AgentやOpenAIのCodexを接続する、Claude Codeなどのコマンドラインツールをターミナルスレッドで動かす、といった選択肢があります。AIの利用は任意です。エディタ、プロンプトに応答するモデル、実行するツールを判断するエージェントは、それぞれ別に選べます。ZedのAIクイックスタートで、各方式が説明されています。
公式ドキュメントと料金は、2026年10月15日に公開情報で確認しました。 本記事はドキュメントを基にした評価で、公開ページのキャプチャと開発フローの分析を用いています。ログインした状態での実機検証や、性能の比較ベンチマークは行っていません。編集時の手間、AIによる変更のレビュー、既存の開発ツールとの互換性、チーム管理を判断の軸としています。
Zedへの乗り換えが向く人、今の環境を維持したい人
Zedが向いているのは、コードを読み進めたり修正したりする時間が長く、プロジェクトのツールをエディタの拡張機能に頼らず実行でき、エージェントの選択肢も残しておきたい開発者です。同じコードを一緒に扱う機会の多いペアにも、試す価値があります。
候補を絞る鍵は、現在の環境で何を維持する必要があるかです。
この比較は、Zedの移行ガイド、Cursorの移行ドキュメント、VS Codeの拡張機能ドキュメント、Devin Desktopの現行導入ガイドに基づいています。作業の進め方を比較したもので、速度の順位付けではありません。
ZedとVS Codeの比較:いつもの作業を再現できるか
特定のテストエクスプローラー、デバッガー拡張機能、コンテナ連携、チーム独自の拡張機能にプロジェクトが依存しているなら、Visual Studio Codeを使い続けるほうが堅実です。Zed自身の移行ガイドも、拡張機能の品ぞろえが少なく、DevOps、コンテナ、テストランナー関連の一部ツールには、そのまま置き換えられるものがないと認めています。
普段の作業がソースファイル、言語サーバー、ターミナルのコマンド、Gitのレビューで完結する開発者なら、この差は対処できるかもしれません。言語サーバーとは、補完、診断、コードナビゲーションを提供するバックグラウンドプロセスです。こうした基本機能が自分のプロジェクトで動けば、Zedを試験導入する根拠になります。反対に、専用の拡張機能を通じてデプロイやデバッグを行っているなら、エディタの変更は見た目の好みでは済まず、ツール環境そのものの移行になります。
ZedとCursorの比較:エージェントの自由度か、環境の継続性か
VS Codeから移る際に、周辺の使い勝手をできるだけ維持したいなら、Cursorのほうが移行しやすいでしょう。インポート機能で拡張機能、テーマ、設定、キーバインドを引き継げます。ファイル編集、シェルコマンドの実行、ブラウザ操作を行う統合エージェントのツールも、公式ドキュメントで案内されています。Cursor Agent
エディタ自体を変えたい一方で、エージェントは別に選びたいなら、Zedの利点が大きくなります。すでにClaude Codeに満足している開発者は、そのエージェントを置き換えずにZedを評価できます。ただし、どの連携方法でもエージェントが同じように動くと保証されるわけではありません。後述する設定の適用範囲が重要になります。
移行によって必須ツールが使えなくなったり、ID管理の要件を満たせなくなったりするなら、Zedをチームの必須標準にするのは避けましょう。Cursorは使い慣れた環境を保ちやすいものの、少し古いVS Codeをベースにする場合があるとドキュメントに記載されており、互換性の確認は必要です。Windsurfの現行ドキュメントでは製品名がDevin Desktopとなっており、互換性のない拡張機能も明記されています。VS Codeの派生製品なら何でも引き継げる、とは考えないほうがよいでしょう。
候補を広げるならCursorの代替ツール一覧を、統合型のエディタ環境同士を中心に比較したいならWindsurfとCursorの比較を参照してください。
コードを読み書きする時間が長いほど、軽快な編集が生きる
Zedの応答性は大きなファイルで試す理由になります。ただし、それをビルド全体やAIを使う作業全体の高速化に結び付けることはできません。公式のRust紹介ページは、大きなファイルでもシンタックスハイライトが軽快に動作すると説明しています。これは編集についての提供元の主張であり、自分のリポジトリがCursorやVS Codeより何倍速く開くかを示す証拠ではありません。ZedのRust機能紹介
日常の作業で役立つのが、ファイルをまたぐ名前の変更やコードの整理です。古い設定フィールドを検索し、各一致箇所を文脈とともに確認して、必要な部分を編集します。Zedのマルチバッファは、複数ファイルから抜き出した編集可能な部分を同じ画面に並べる機能です。タブを何度も開閉せずに、一致箇所を順に扱えます。抜粋部分を編集すると、元のソースファイルにも変更が反映されます。マルチバッファのドキュメント
これは、エージェントに任せるより自分のほうが変更内容を把握しやすい、小規模な修正で役立ちます。たとえば、サービス内部のオプション名を変えつつ、よく似た名前の公開レスポンスフィールドは維持する場合です。一括置換では誤りが生じ、エージェントに依頼するほどの作業でもないかもしれません。一致箇所をまとめて見られれば、全体を見渡しながら手作業で制御できます。
大きなファイルで試すなら、生成されたスキーマや長いソースモジュールなど、実際に読むファイルを使いましょう。スクロール、選択、検索、編集、保存を確認し、続いてプロジェクトで普段使う言語サービスを有効にした状態でも繰り返します。何も開いていないエディタの軽さより、いつもの作業中の使い勝手のほうが判断材料になります。
ボトルネックになり得るのは、バックグラウンドの処理です。 ZedのRustドキュメントでは、rust-analyzerの既定の保存時チェックがcargo check --workspace --all-targetsを実行し、ワークスペース全体とそのターゲットを検査する場合があると注意しています。大規模なプロジェクトには適しにくいことも明記されています。チェックの範囲を絞ったり、タスクとして実行したりできますが、無効にすると、頼りにしていた診断も失われます。Rustのパフォーマンスに関するガイド
テキスト編集が軽快でも、時間のかかるワークスペースのチェックが消えるわけではありません。改善を判断するときは、エディタの応答性、言語サーバーの処理、エージェントの応答時間を分けて考えましょう。そうしなければ、エディタを替えても重いバックグラウンドコマンドは残り、原因を取り違えたまま期待外れに感じることになります。
エディタの中で、そのままペア作業ができる
同じプロジェクトを双方が読み進め、編集する必要がある場面で、Zedのリアルタイム共同作業が生きます。マルチプレイヤー機能では、同時に行われる編集とカーソルを確認できます。チャンネルは、プロジェクト共有とボイスチャットを備えた常設の部屋として機能し、連絡先からは必要に応じて非公開セッションを始められます。共同作業にはサインインが必要です。共同作業のドキュメント
開発者とレビュアーが、失敗するテストの原因を調べる場面を考えてみてください。開発者が実装を追う間に、レビュアーはアサーションと周辺のフィクスチャを確認できます。同じソースを指し示し、必要な箇所を修正し、その影響を共有プロジェクトの中で話し合えます。片方がもう片方に何度もスクロールを頼む会議より、この種の作業に適しています。
得られる価値は、同じ文脈を共有できることです。会議時間の短縮を測定したわけではありません。新しいメンバーの受け入れ、障害調査、慎重さが必要な変更をコミット前に確認する場面で、特に役立ちます。共同作業のほとんどが非同期のプルリクエストレビューで完結するチームには、重要度が下がります。
アクセス権の範囲は理解しておく必要があります。プロジェクトを共有すると、共同作業者はそのプロジェクト内のローカルファイルシステムにアクセスできます。その前提で相手を招待してください。マルチプレイヤーは画面を見せるだけの機能より多くのことができるため、権限もそれに見合ったものとして捉える必要があります。
Zed AIの使い方:モデルだけでなく、エージェントも選ぶ
ZedのAgent Panelは、複数ファイルにまたがる作業に役立ちます。ただし、認証情報を設定する前に、どの方式でエージェントを使うかを決めることが大切です。モデルは応答を生成します。エージェントは、そのモデルに指示とツールを組み合わせ、プロジェクトを調査したり変更したりします。ZedにAnthropicのキーを登録することと、Claude Codeを実行することは、別の構成です。
標準のAgent Panelなら、変更内容を確認しながら進められる
Zed Agentは、Zedに組み込まれたツールでコードの検索、読み取り、編集、実行を行えます。@メンションで必要なコンテキストを明示的に追加し、設定済みのモデルとプロバイダーを選び、結果の変更をマルチバッファで確認できます。レビュー画面では、差分の連続したまとまりである「ハンク」ごとに変更を受け入れたり拒否したりでき、変更全体をまとめて扱うこともできます。Agent Panelのドキュメント
たとえば、不正なリクエストをデータベースクエリに到達する前に拒否する、というチケットを扱うとします。ルートハンドラーと既存のテストをコンテキストに追加し、まずバリデーションの流れを説明させます。その後、失敗を再現する最小限のテストを追加させ、修正を実装します。ハンドラーとテストを一緒にレビューし、プロジェクトで普段使うチェックを実行して、無関係なコード整理は受け入れないようにします。
この手順なら、ツールに任せる範囲が明確になり、判断できる具体的な成果物も得られます。大切なのはパッチを生成することだけではありません。入力した情報と結果の差分を見える状態に保ち、そのパッチをリポジトリに取り込むべきか判断できることです。
モデルを利用できるだけでは、この作業が成立するとは限りません。選択したモデルやプロバイダーが、エディタの操作を要求するツール呼び出しに対応していない場合、Zedのパネルに「No tools」と表示されることがあります。エージェントとして作業させるなら、ツールを使えるモデルを選んでください。質問に答えられるモデルが、そのまま編集作業も実行できるとは考えないようにしましょう。
外部エージェントを接続し、使い慣れた選択肢を維持する
Zedは、エディタとエージェントのプロセスをつなぐ通信インターフェースである**Agent Client Protocol(ACP)**を通じて、外部エージェントに接続します。スレッドを表示するのはエディタですが、通常、実行環境、認証、モデル選択、ツール、エージェント固有の設定は外部エージェント側が管理します。公式に案内されている連携先には、Claude AgentやCodexがあります。外部エージェントのドキュメント
実用的な使い方は、すでに使っているエージェントを維持したまま、その作業内容を読んだりレビューしたりする場所を変えることです。ZedのACP Registryからインストールし、そのエージェントのスレッドを開始して、エージェント自身の認証手順を進めます。標準のZed Agent用に保存したAPIキーで、Claude AgentやCodexまで自動的に認証されるわけではありません。
この分離こそ、AIを使う作業の場としてZedを選ぶ大きな理由です。同時に、保守の際には設定の管理元を把握する必要があります。モデル、権限、指示が想定どおりに動かないとき、その設定を管理しているのがZedなのか外部エージェントなのかを知っておかなければなりません。連携の問題を調べる際は、Zedのdev: open acp logsコマンドで両者の通信を確認できます。
コマンドラインならではの操作感を維持したいなら、Terminal Threadを使います。ACPエージェントをZedのエージェントUIに表示する方式とは異なり、Zedが管理するスレッド内でCLIやターミナルインターフェースを実行します。Claude CodeとCodexは、この方式でも利用できます。認証情報と設定は、それぞれのツール自身のものが使われます。Zedに保存したプロバイダーのキーがターミナルへコピーされることはありません。Terminal Threads
使い分けは明確です。Zed側で動作を管理したいならZed Agent、外部エージェントを統合して使いたいならACP、エージェントのターミナルUIを維持したいならTerminal Threadsを選びます。まず作業の進め方を決め、その後でモデルへのアクセスを設定しましょう。
小さな修正には、編集予測が使いやすい
自分で入力を進めながら、短く局所的な変更を補助してほしい場面には、Zedの編集予測が適しています。作業中に単一行や複数行の変更が提案されます。既定の予測プロバイダーはZetaで、GitHub Copilotを含むほかのプロバイダーにも対応しています。このプロバイダーは、Agent Panelで使うモデルとは別に設定します。編集予測のドキュメント
シリアライザーに新しいプロパティを追加し、隣接するマッピングも更新する場面を考えてみてください。編集予測なら、その場で確認しながら、次に必要な関連修正を提案してもらえます。リポジトリを横断して調べる必要がある仕事にはエージェントを、次に何を変えるかは分かっていて入力を補助してほしい仕事には編集予測を使うとよいでしょう。
既定のeagerモードでは、Tabで予測を受け入れられます。ただし、言語サーバーの補完メニューが開いているときは、そちらが優先されます。予測を閉じるにはEscapeを使います。自動表示される提案でコードを読みづらく感じるなら、subtleモードに切り替えましょう。設定した修飾キーを押している間だけ、予測がインライン表示されます。既定のキーはAltです。
AIの支援は欲しくても、カーソル位置の提案が絶えず変わるのは好まない開発者にとって、このモードは導入時の有用な選択肢です。まず必要なときだけ支援を呼び出す形で始め、提案の頻度を増やすと役立つかを判断できます。本レビューでは、予測の品質や提案の受け入れ状況は測定していません。
Zedの使い方:実際のプロジェクトで設定する
Zedは、今のエディタと併用しながら評価できます。普段のプロジェクトで、小さな変更から始めましょう。以下は公開ドキュメントに沿って再現できる手順です。認証は、自分のアカウントで行ってください。
エディタの安定版をインストールする
公式のZedダウンロードページを使います。インストールドキュメントでは、macOS向けに
brew install --cask zed、Windows向けにwinget install -e --id ZedIndustries.Zedも案内されています。Linuxでは、インストールガイドに記載された公式インストーラーとシステム要件に従ってください。リポジトリのフォルダーを開き、エージェントを導入する前に、普段のビルドまたはテストコマンドが動くことを確認します。標準エージェント用のモデルを選ぶか、APIキーを設定する
コマンドパレットを開き、
agent: open settingsを実行します。AI > LLM Providersで、AnthropicやOpenAIなどの対応プロバイダーに自分のAPIキーを設定するか、Zedが提供するホスト型モデルを選びます。Zedを通じて保存したキーは、システムのキーチェーンに格納されます。agent: new threadを実行し、パネルで目的のモデルとプロバイダーを選びます。同じモデルが異なる課金元から提供される場合があるため、両方を確認してください。プロバイダーの設定外部エージェントを接続する
zed: acp registryを実行し、Claude AgentまたはCodexを選んでインストールします。Agent Settings > External Agents > Add Agent > Install from Registryからも操作できます。新規スレッドのメニューで、インストールしたエージェントを選んで開始します。Claude Agentは、自身の認証に/loginを使うと案内しています。Codexは固有のログイン手順を使い、利用できる方式はインストールしたバージョンと環境によって異なります。前の手順のキーが引き継がれるとは考えず、連携機能の案内に従ってください。外部エージェントの設定範囲を絞った変更で動作を確認する
選んだエージェントに、既存のテストの説明と、そのテストが検証しているコードの特定を依頼します。次に、小さな変更を依頼し、差分を確認して、リポジトリで普段使う検証コマンドを実行します。想定した指示、ツール、課金アカウントが使われていることも確認してください。Claude CodeのターミナルUIを使うことが主目的なら、パネルの新規スレッドメニューからTerminalを選び、インストール済みのCLIをそこで起動します。
使い始めるために、標準エージェントと外部エージェントの両方を設定する必要はありません。モデルとキーを設定する手順は標準エージェント用、レジストリの手順は外部エージェント用です。両方を使えるようにしておくことは有用ですが、意図せず設定を重複させるのではなく、目的を持って選びましょう。
Zedは無料で使える?使い方に合う料金プラン
Zedの現行プランは、Personal:自分のAPIキーまたは外部エージェントを使う場合は無料、Pro:月額$10、Business:席あたり月額$30です。2026年10月15日に公式料金ページで確認しました。
すでに使っているエージェントやプロバイダーのアカウントを、ネイティブエディタで利用したいなら、Personalから始めるのがよいでしょう。エディタが無料でも、外部プロバイダーの利用料金まで無料になるわけではありません。Proは、Zedが提供するホスト型モデルと無制限の編集予測を使いたい個人向けです。$5分のトークンが含まれ、それを超えるホスト型モデルの利用分はAPIの定価に10%を上乗せして課金されます。支出上限も設定できます。Personalには、このProの利用枠は含まれません。プランの詳細
Businessで追加されるのは、組織向けの管理機能と支出の可視化です。席ごとに一定額のモデル利用クレジットが付く仕組みではありません。必要な管理機能のために選ぶプランであり、席を購入すればエージェントを無制限に使えるとは考えないでください。導入時には、プラン名よりも、以下で説明するID管理と管理機能の制約が重要になります。
移行前に確かめたい、Zedの制約
Zedに残る不足は、導入を決める前に具体的に確認できます。日常業務に必要な作業ができないなら、編集の心地よさだけでは補えません。
Zedの拡張機能:選択肢の少なさが移行の壁になる
Zedは、VS Codeの拡張機能や独自のキーバインドをインポートしません。対応するエディタ設定はインポートできますが、公式ガイドも、拡張機能の対応範囲が狭く、専門的なツールの一部には同等の代替手段がないと説明しています。VS Codeからの移行ガイド
インストール済みのテーマをすべて並べるのではなく、仕事を進めるために実際に使っている拡張機能を洗い出しましょう。必須のものごとに、Zedの同等機能、標準機能、無理なく使えるターミナルコマンドがあるか確認します。代替手段がない作業には、VS CodeかCursorを残してください。導入後、初めての緊急の本番不具合を調査する段階で、この不足に気付く事態は避けたいところです。
デバッガーは搭載済み。ただし、設定の再構築が必要な場合も
Zedにはデバッガーがあり、ブレークポイント、ステップ実行、変数の確認に対応しています。エディタと言語ごとのデバッグツールをつなぐDebug Adapter Protocolを利用しています。ドキュメントでは、Rust、Python、JavaScript、TypeScript、Go、C/C++などに対応した組み込みアダプターが案内されています。「Zedにはデバッガーがない」という説明は誤りです。デバッガーのドキュメント
制約になるのは、設定とアダプターの対応範囲です。プロジェクトによっては.zed/debug.jsonが必要です。Zed側のファイルに設定が見つからない場合、Zedは.vscode/launch.jsonを読み込みます。ただし、この読み込みに対応していることは、あらゆる拡張機能、アダプターのオプション、デバッグ手順との互換性を意味しません。また、現行ドキュメントではプロセス選択機能の対象がNodeに限定されています。普段からプロセスを選んでアタッチするなら、見逃せない点です。
実際のプロジェクトでdebugger: startを試しましょう。失敗するテストをデバッグする手順、環境変数、ブレークポイント、日常的に使うアタッチの流れを確認します。VS Codeは、複数の構成をまとめて起動する複合起動構成に明示的に対応しています。複数プロセスを連携させる構成に依存しているなら、Zedで十分な代替手段を確認できるまで、動作が分かっている既存の設定を維持してください。VS Codeのデバッグ構成
Zed Skills:同じエディタでも、エージェントの設定は共通とは限らない
Zedのスキルは、SKILL.mdファイルを中心にまとめた、再利用できる指示のパッケージです。標準のZed Agentは、プロジェクト内またはグローバルのスキルディレクトリから読み込めます。ただし、Zedの外部エージェントドキュメントには、Zed Skillsは外部エージェントに対してZed Skillsとして適用されないと明記されています。エージェント固有の指示の扱いはそのエージェントに依存し、連携機能に別途記載がない限り、Zed Agentのプロファイルも適用されません。スキルの説明、外部エージェントへの設定の適用範囲
つまり、チームが同じエディタで同じリポジトリを開いていても、エージェントの利用方式によって動作が変わり得ます。プロジェクトで想定するエージェント、指示を置く場所、有効になるツール権限を明文化しましょう。同じモデル名を選ぶだけでは、共通の作業環境は成立しません。
Terminal Threadsには、もうひとつ明確な違いがあります。アーカイブではなく閉じる方式で、ZedのThread Historyにも入りません。エディタが管理する検索可能な会話履歴が業務に欠かせないなら、標準エージェントのスレッドと同じだと思い込まず、ターミナルで使うエージェント自身の履歴機能を確認してください。Terminal Threadのライフサイクル
Businessの管理機能だけで、チーム導入の要件がすべてそろうわけではない
Zed Businessは現在、サインインの一元化、ID連携、アカウントの自動プロビジョニングに関わるSSO、SAML、SCIMに対応していません。料金ページでは、今後の対応予定として掲載されています。また、組織向けの管理機能が対象とするのはZedのホスト型サービスであり、外部エージェントはそれぞれのプロバイダーとの関係を維持すると記載されています。Businessの機能
ID管理の一元化が必須なら、現時点でZedを標準にしない理由になります。Cursorはすでに、TeamsとEnterprise向けのSAML SSOをドキュメントで案内しています。比較すべきなのは、ロードマップ上の約束ではなく、今満たせる要件です。CursorのSSOドキュメント
こうした管理機能を必要としない小規模チームでも、実務的な準備は残ります。サポートする言語、エージェントの認証方法、利用を認めるプロバイダー、デバッグ手順を定めておきましょう。組織向けプランを購入しても、この設定作業が不要になったり、すべての外部プロセスが自動的に管理下に入ったりするわけではありません。
Zed editorレビューの結論:普段の開発を無理なく移せるかで決める
編集と共同作業の進め方が日々の開発を改善し、必須ツールが動き、エージェントも独立して選びたいなら、Zedへの移行は有力です。エディタを変えることより、拡張機能、デバッグ環境、必要な管理機能を維持する価値のほうが大きいなら、VS CodeやCursorを使い続けましょう。
コマンドラインツールに慣れた個人開発者なら、Zed Personalに既存のエージェントを組み合わせるのが妥当な出発点です。チームリードなら、標準化の前に希望者による試験導入を行いましょう。ネイティブエディタ、共同編集、エージェントの選択肢は確かな強みです。それでも、プロジェクトの日常的な開発作業を支える必要がなくなるわけではありません。
まずは普段のリポジトリを開き、小さな変更を完成させ、AIによる差分をレビューし、テストとデバッガーを動かしてみてください。共同編集が移行理由のひとつなら、ペア作業も試しましょう。元のエディタに戻る必要があった作業は記録します。それが欠かせない作業で、頻繁に起きるなら、従来のエディタを標準のままにしておきましょう。周辺的な作業に限られるなら、Zedの利用範囲を広げる根拠になります。
よくある質問
Linuxでは、どのコードエディタを選べばよいですか?
ネイティブエディタとエージェントの選択肢に魅力を感じ、Vulkan 1.3ドライバーを含むグラフィックス要件をシステムが満たしているなら、Zedを検討できます。必須の拡張機能や既存のデバッグ設定が選択を左右するなら、VS Codeを維持しましょう。Zedのインストール要件
ZedはCursorより優れていますか?
ネイティブエディタとエージェントを別々に選びたいなら、Zedのほうが適しています。VS Codeベースの環境を維持することが優先なら、Cursorのほうが移行時の不確実性を抑えられます。本レビューでは、速度やモデル品質を比較するベンチマークは実施していません。
2026年にVS Codeの代わりとして検討できるエディタは?
ネイティブエディタと標準搭載の共同編集を求めるならZedが候補になります。使い慣れたエディタにAIツールを統合したいならCursorが適しています。Windsurf(現在はDevin Desktop)も、エージェントを統合した環境の選択肢です。画面の好みを比べる前に、必要な拡張機能の互換性で候補を絞りましょう。
Visual Studio Codeは何に使うエディタですか?
Visual Studio Codeは、ソースコードを編集し、言語ツール、デバッグ機能、拡張機能を組み合わせて開発環境を構築するために使います。Zedへ移行する際は、その既存のツール群を基準に、何を維持し、置き換え、意図的に簡素化するかを決めます。
VS Codeより自分に合うコードエディタはありますか?
作業の進め方によっては、より適したエディタがあります。ネイティブエディタ、共同作業、エージェント選択の自由度を重視するなら、Zedは検討に値します。一方、使い慣れた拡張機能とデバッグ設定が仕事の中心なら、VS Codeのほうが適しています。
Zedはオープンソースですか?
はい。Zedはオープンソースで、AIの利用は任意です。ただし、ホスト型モデルの利用や外部エージェントのプロバイダーが提供するサービスまで無料になるわけではありません。Zed
実際の開発に役立つツールや作業環境のレビューは、ニュースレターでお届けします。
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