LLM API料金比較2026:最安モデルはどれ?7社を用途別コストで選ぶ
LLM API料金比較で、Groq、Mistral、Google、OpenAI、Anthropic、DeepSeek、xAIの単価と用途別コストを整理。問い合わせ分類・文書要約・コーディングの費用に加え、キャッシュ、Batch、長文プロンプト、無料枠の条件を確認し、タスクを完了する総額で安いAPIを選べます。
公開日

LLM API料金比較で最初に見るべきなのは、実際のタスクにかかる総額です。今回比較した3つの処理では、キャッシュを使わない場合、Groqが提供するOpenAI GPT OSS 20Bが最安でした。料金は100万トークンあたり入力$0.075、出力$0.30からです。ただし、回答が長くなる、大きなプロンプトを繰り返し使う、再試行が必要になる、といった条件で最安のAPIは変わります。出力が多ければMistralのMinistral 3 3Bが有利になる場合があります。既存の連携を生かすなら、OpenAI GPT-6 LunaとAnthropic Claude Haiku 5.5も低コストで試せる候補です。
LLM API料金比較:2026年10月20日確認の単価一覧
まず、入力単価と出力単価をセットで確認します。 トークンは、モデルがテキストを処理する際の小さな単位です。入力には指示、文書、会話履歴が含まれます。出力には課金対象の回答に加え、該当する場合は推論も含まれます。入力100万トークンと出力100万トークンは、それぞれ別に課金されます。
以下の価格はすべて100万トークンあたりの米ドル(USD)建てで、2026年10月20日に各社の公式ページで確認したものです。比較対象は7社の現行の低価格な有料モデルであり、全ホスティング事業者を網羅した一覧でも、品質ランキングでもありません。GroqはOpenAIのオープンウェイトモデルをホストしているため、Groq自身の料金を掲載しています。それ以外は、モデル開発元が直接提供するAPIの料金です。
注記: Groqのモデルカードには、キャッシュ入力の価格として$0.037と表示されています。一方、キャッシュのドキュメントには50%割引とあり、入力単価から計算すると$0.0375です。表ではモデルカードの表示桁数をそのまま使用しています。以下の計算例では、この丸められたキャッシュ単価を使っていません。†GroqとMistralのBatch料金は、公式に記載された50%割引から算出しています。Groq Batch、Mistral Batch。
適用条件によって請求額は変わります。 OpenAIの掲載単価は入力272Kトークンまでに適用され、それを超えるプロンプトではリクエスト全体に高い単価が適用されます。Haikuはキャッシュ分を含むプロンプト100,000トークンまでが対象で、それを超えると入力・出力単価が5倍になります。Grok Buildの上位料金帯はプロンプト200Kトークンからです。以下の計算例はいずれも、これら3つのしきい値を下回ります。OpenAIのモデル料金、Claudeの長文コンテキスト料金、xAIの料金。
DeepSeekのピーク時間帯は、中国の祝日を除く月曜から金曜の01:00-04:00および06:00-10:00 UTCです。それ以外はオフピークになります。この時間帯別の割安料金は、Batch APIの割引とは別の仕組みです。DeepSeekの料金。
キャッシュ入力料金は、条件を満たした再読み込みに適用されます。すべての入力トークンが対象になるわけではありません。OpenAI Lunaのキャッシュ書き込みは100万トークンあたり$0.125です。短いプロンプトのHaikuでは、保持時間5分の書き込みが$0.125、1時間が$0.20です。Googleの保存料金は、キャッシュ100万トークンあたり1時間$1と記載されています。これらの料金は、キャッシュヒット時の読み込み料金とは分けて計算します。OpenAIの料金、Claudeのキャッシュ料金、Geminiの料金。
LLM APIのコスト計算:3つの用途を同じ式で比べる
リクエスト全体の費用を計算してから、処理件数を掛けます。 入力単価が最も安いモデルでも、回答が長くなれば総額で負けることがあります。アプリケーションのツール定義や過去のメッセージも、入力トークンに含めてください。
キャッシュを使わない通常の入力では、次の式で計算します。
1リクエストの費用=(入力トークン数×入力単価+課金対象の出力トークン数×出力単価)÷1,000,000。
以下は比較のために設定した仮定の処理量です。実際の生成結果を測定したものではありません。
- 問い合わせの分類: 入力500トークン、課金対象の出力20トークン。担当部門を示す短いラベル、または振り分け用のオブジェクトを返します。
- 文書の要約: 入力10,000トークン、課金対象の出力500トークン。すでにテキストを抽出した文書から、長さを抑えた要約を返します。
- コーディングエージェントの1ステップ: 入力20,000トークン、課金対象の出力2,000トークン。指示、関連コード、ツールの実行結果を読み、次の応答や修正案を生成します。
出力の想定量には、課金される推論トークンも含めています。推論モデルは実際のタスクでこの量を超える可能性があるため、見積もり時には報告された使用量に置き換えてください。同じ文書でも、トークナイザーが違えばトークン数は変わります。数をそろえることで単価は比較できますが、品質、文書の長さ、推論の量まで同じだと示せるわけではありません。
1回のAPI呼び出しで完了する処理を1,000件実行した場合
この表は、すべての呼び出しが成功する前提です。キャッシュの読み書き、保存、ツール、リージョン別の追加料金、税金、再試行、人によるレビューは含みません。エージェントの1ステップはモデルの1回の呼び出しであり、コーディング作業全体の完了を意味しません。
合計額はすべて、上記の確認日時点の公式単価から独自に計算しています。月10,000件なら、表の金額を10倍にします。この件数で想定したコーディングステップを実行すると、Groqは$21、Lunaは$30です。失敗やツール費用を除いた差は月$9。動いている機能の移行に1週間を費やす前に、押さえておきたい規模感です。
問い合わせ分類:回答は必要最小限にする
処理範囲が明確なこの用途では、価格面でまずGroqが候補になります。 1回の費用は(500 × $0.075 + 20 × $0.30) ÷ 1,000,000 = $0.0000435です。月10,000件ならStandard推論で$0.435。処理を待てるキューなら、公式のBatch割引を適用して$0.2175です。
事業の創業者がサポート問い合わせにラベルを付ける場合は、モデルを選ぶ前に、使用できるラベルを決めておきます。「請求」「技術」「アカウント」といった値なら機械的に検証できます。頼んでいないのに分類理由を長く説明させても、振り分けには役立たず、出力が増えるだけです。判断が曖昧な問い合わせは別に確認し、無理に断定させずレビューに回します。
注意点は、応答までの時間と処理スケジュールの関係です。リアルタイムの振り分けには即時の結果が必要ですが、過去のヘルプデスク記録の再分類ならBatchを待てます。Groqが示す処理期間は24時間から7日間です。一晩で終わると約束するなら、そうなるはずだと考えるのではなく、処理能力を見込んだ計画が必要です。Groq Batchのドキュメント。
文書要約:使える要約に費用をかける
PDFやマルチモーダル入力が必要なら、それらに対応するGemini 2.5 Flash-Liteが文書処理の有力な初期候補です。 テキストトークンの想定では、要約1件の費用は(10,000 × $0.10 + 500 × $0.40) ÷ 1,000,000 = $0.00120です。月10,000件で$12、Batchなら$6になります。同じテキストだけの計算ではGroqのほうが安いものの、今回選んだモデルは同じ範囲の入力形式に対応していません。Geminiのモデル機能、Groqのモデル機能。
この計算は、抽出済みのテキストに使ってください。ページ画像を含むスキャンPDFでは、トークンの使われ方が変わる可能性があります。文書の抽出、検索、保存にも別の料金がかかることがあります。合否判定で見るべきなのは、文章の流暢さよりも、決定事項、期限、例外が要約に残っているかどうかです。
創業者が顧客インタビューを整理するなら、抽出する項目を固定し、根拠となる箇所も示させます。製品の判断を変える重要な条件が抜けていたら、安く要約できても仕事は終わっていません。再び長い文章に書き直す費用を払うより、確認できるように原文を残しておきましょう。
コーディングエージェント:1ステップだけでなく反復全体を見積もる
既存の連携ではLunaかHaikuから始め、より安い候補としてGroqを評価します。 想定したLunaの1ステップは(20,000 × $0.10 + 2,000 × $0.50) ÷ 1,000,000 = $0.003です。短いプロンプトのHaikuも同額です。ただし、どちらの金額も、そのモデルが実際の修正を完了できると示すものではありません。
コーディングエージェントは、コンテキストを送信し、行動案を受け取り、ツールを実行し、その結果を再びモデルに渡す処理を繰り返します。テストに失敗すれば、さらに長くなった履歴を付けて再度呼び出すこともあります。各反復、課金対象の推論、外部の実行環境をすべて数えてください。実際の動きを観察せずに、この反復全体の費用をトークン単価表だけで算出することはできません。
小規模な保守作業では、変更したファイル、関連テストの結果、明確な終了条件を成果物として求めます。長い説明よりも、範囲を絞ったパッチを優先します。Lunaの単価で課金対象の出力合計を2,000トークンから500トークンに減らせば、1ステップあたり$0.00075、10,000ステップで$7.50を節約できます。ただし、短い応答でも作業が完了することが条件です。
キャッシュ・Batch・出力の長さで最安モデルは変わる
キャッシュは入力の再利用に、Batchは待てる処理に、出力の短縮は成功した各呼び出しの費用削減に効きます。 それぞれ別の仕組みなので、条件を確かめずに組み合わせると削減効果を過大に見積もってしまいます。
キャッシュの読み込みと書き込みを分けて考える
コーディングステップで、キャッシュの対象になる18,000トークンのプレフィックスを再利用し、新規入力2,000トークンを追加して、課金対象の出力2,000トークンを生成すると仮定します。プレフィックスとは、指示や変化しない参考資料など、リクエストの先頭にある共通部分です。キャッシュヒット時のLuna、または短いプロンプトのHaikuの費用は、次のとおりです。
(18,000 × $0.01 + 2,000 × $0.10 + 2,000 × $0.50) ÷ 1,000,000 = $0.00138。
初回は、そのプレフィックスを100万トークンあたり$0.125で書き込みます。末尾の変わる部分を通常入力として扱う場合、初回の費用は$0.00345です。有効期限内の10回の呼び出しで、書き込み1回と全体の読み込み9回が発生すると、合計は**$0.01587**。キャッシュなしの$0.030に比べて47.1%の削減になります。これは10回分を通算した比較です。入力単価が10分の1になっても、請求総額まで10分の1になるという意味ではありません。

同じステップでキャッシュがヒットした場合、DeepSeekはオフピークで$0.001554、ピークで$0.003108です。キャッシュ読み込み単価は低くても、新規入力と出力が高いため、この条件ではLunaより安くなりません。Mistralで同様にヒット時だけを計算すると$0.00058です。範囲を限定したタスクには魅力的な価格ですが、同等のコーディング能力を示すものではありません。
再利用する見込みがある内容だけをキャッシュします。 Googleで10,000トークンの明示的なキャッシュを1時間保存すると、保存料金は$0.01です。Standard料金で全体を再利用するたびに入力費用が$0.0009減るため、保存料金だけを上回るにも12回のキャッシュ読み込みが必要です。初回処理の費用は別途かかります。割安な読み込み単価があるからといって、1回限りの要約でキャッシュする理由にはなりません。Geminiのキャッシュ料金。
Batch割引の適用条件はプロバイダーごとに異なる
Batchは、相互に依存しない未処理の作業をまとめて実行するために使います。進行中の会話の次の応答には向きません。 OpenAI、Anthropic、Google、Mistral、Groqは、今回選んだモデルについて入力・出力を半額で処理できる方式を公式に案内しています。DeepSeekの料金ページが示すのは時間帯別の料金であり、Grok Build 0.1は明示的にBatch非対応です。
Anthropicは、Batchとキャッシュの割引を併用できるとしています。一方、Groqでは併用できません。Batchのトークンには、キャッシュの状態にかかわらず、すでに割引が適用されるためです。今回選んだGoogleのモデルでは、Batchのキャッシュ読み込み単価は$0.01のままで、通常の入力単価のように半額にはなりません。請求総額に2つの割引率をそのまま掛けるのではなく、該当するトークン区分ごとに積み上げてください。Claudeの割引、Groqのキャッシュ適用条件、GoogleのBatch料金。
出力の比率が上がるとGroqとMistralの順位が逆転する
入力8トークンに対して出力が1トークンを超えると、Ministral 3 3BはGroq GPT OSS 20Bより安くなります。 これは、キャッシュなしのStandard処理でトークン数が等しく、どちらも求める結果を返せる場合の比較です。Mistralは入力が高く、出力が安いため、両者の料金式を解くと、出力÷入力のしきい値は0.125になります。
入力20,000トークン、出力4,000トークンなら、1回あたりMistralは$0.0024、Groqは$0.0027です。基準にした3つの処理は出力がこれより短いため、表ではGroqが勝っています。長い説明文、リライト、レポートを生成する機能なら、この順序が逆になる可能性があります。
安い料金に収めることだけを目的に、出力を削らないでください。ラベル、抽出結果、パッチ、長さを限定した要約など、役に立つ最小限の成果物を定義します。そのうえで、安いモデルが安定して生成できるかを確認します。
生成AI APIの料金比較:低価格モデル7候補の選び方
以下の7候補は、評価を進める順番として使ってください。ベンチマークの順位ではありません。 それぞれ運用上の制約が異なります。掲載価格は現行のStandard入力・出力の開始単価です。料金体系の全体像は、各社の料金ページで確認してください。
1. Groq:短く検証しやすいテキスト処理の最初の候補
Groqは推論サービスを提供する事業者で、ツール利用、推論、構造化出力に対応したテキストモデルOpenAI GPT OSS 20Bをホストしています。入力単価が低く、大きめのプロンプトから短い回答を返す用途に向くため、キャッシュなしの3つの計算例で最安になりました。サポート問い合わせの分類や、テキストだけの文書を順次処理する用途なら、既存の処理との合格率を比較する準備がある場合に、ここから始められます。注意すべきなのは、公称の生成速度よりも結果です。不正なラベルや推論のやり直しが発生すれば、節約分が消えることがあります。 モデルの詳細。
向いている用途: 検証できる短い回答、相互に依存しないテキスト処理キュー
特徴: 想定した3つのトークン構成で、キャッシュなしの費用が最安
料金: 100万トークンあたり入力$0.075、出力$0.30から
無料トライアル: この比較にはプロモーションの無料枠を含めていません
- 想定トークン数では、問い合わせ分類、要約、エージェントの1ステップのすべてで最安
- ツール利用とJSONスキーマの機能が公式に記載されている
- 処理の特性に応じてBatchとプロンプトキャッシュを選べる
- 対象モデルの入力はテキストのため、PDFや画像には別の前処理が必要
- キャッシュ入力の割引はBatchと併用できない
- Batchの処理期間が、対話型機能の許容時間を超える場合がある
導入判断の全体像は、Groqの料金ガイドで解説しています。今回の候補比較では、公開単価のあるGPT OSSを使ってください。Groqの現行カタログではLlama 3.1 8Bは営業への見積もり依頼が必要なため、過去の公開単価を予算に使うことはできません。現行の本番向けモデル一覧。
最初の比較をどう進めるか
範囲を限定したタスクを選ぶ
サポートアシスタント全体ではなく、問い合わせ分類を対象にします。使用できるラベルと、レビューが必要になる条件を書き出します。
代表的なリクエストで比較する
最初の絞り込みには、機密情報などを適切に除去した代表的な100件を使います。曖昧な内容、不正な形式、極端に長い問い合わせも含めてください。現在の処理方法と候補モデルを、同じ合否基準で評価します。
結果と費用を漏れなく記録する
出力の合否、課金対象の入力・出力、処理全体の応答時間、再試行や上位モデルへの切り替えを記録します。キャッシュ読み込みは通常入力と分けて集計してください。
合格したタスクの種類だけを移行する
検証を通過した分類処理を、安いモデルへ振り分けます。不合格の結果に備えてフォールバックを残し、最初のサンプルでの評価後も監視を続けます。
2. Mistral:出力が多い処理で価格が有利になる候補
MistralのMinistral 3 3Bは、構造化出力、関数呼び出し、文書に関する質問に対応する小型モデルです。入力と出力が同じ単価なので、短いプロンプトからまとまった量の結果を書き出す、範囲の明確な変換処理に向きます。定型の商品説明を生成する創業者なら、他社の高い出力単価を払う前に評価できます。見極めるべきなのはタスクの複雑さです。出力が安くても、必要な細部や制約をこの小型モデルが守れなければ意味がありません。 Ministralの機能。
向いている用途: 出力を機械的に検証できる、範囲を絞ったリライト、説明文作成、情報抽出
特徴: Standardの入力と出力が同じ単価
料金: 100万トークンあたり入力$0.10、出力$0.10から
無料トライアル: 評価用クレジットは含めず、有料推論の単価を掲載
- 比較対象の中で出力単価が最安
- モデルの構造化出力と関数呼び出しが公式に記載されている
- キャッシュ単価が公開され、Batchにも対応している
- Groqより入力が高いため、基準にした出力の短い処理では総額が上回る
- 料金計算が有利でも、範囲の定まらないコーディングへの適性は分からない
- スキーマに適合した応答でも、内容が間違っていることはある
この候補の評価を再現するときは、ministral-3b-2512を使ってください。「Small」「Mini」「3B」は、同じ意味で使える製品名ではありません。評価の結果、より大きいMistralモデルが必要になったら、そのモデルの単価で計算し直します。小型モデルの価格を、能力の異なる別モデルの見積もりに流用しないでください。
3. Google:文書処理と試作に使いやすい選択肢
Google GeminiのGemini 2.5 Flash-Liteは、テキスト、画像、動画、音声、PDFを扱う軽量な処理向けに、現在提供されている安定版モデルです。抽出済みテキスト以外も要約する場合や、公開されている無料枠で試作したい場合の初期候補になります。有料のテキスト処理費用は最安候補に近いため、対応する入力形式が導入先を決めることもあります。注意点は、比較用にそろえたテキストの予算と、実際の複数メディアを含むリクエストとの差です。 Geminiのモデル詳細。
向いている用途: 軽量な文書処理、機密情報などを適切に除去したデータによる試作
特徴: 幅広い入力形式と、公開されている無料枠
料金: 有料Standardは100万トークンあたりテキスト入力$0.10、出力$0.40から
無料トライアル: 無料枠あり。ただし、専用の上限と利用条件が適用されます
- PDFなどのマルチモーダル入力に対応
- 構造化出力と関数呼び出しを利用できる
- Batchでは、対象モデルの通常の入力・出力単価が半額になる
- 再利用の少ない文書では、明示的なキャッシュの保存料が節約額を上回ることがある
- 無料枠のコンテンツがGoogleの製品改善に使われる場合がある
- 音声や複数メディアを含むリクエストには、別途トークンの見積もりが必要
Googleの料金ページでは、無料枠と有料枠でコンテンツの利用条件を区別しています。無料の試作には機密情報などを適切に除去したデータを使い、顧客の資料を処理する前に有料枠の条件を確認してください。Geminiの料金解説ではサブスクリプションとAPIの選択肢を広く整理していますが、この比較の対象はDeveloper APIのみです。
4. OpenAI:既存の連携を生かして費用を抑える
OpenAIのGPT-6 Lunaは、用途を絞った大量処理向けのモデルで、構造化出力と推論量の調整に対応しています。すでにOpenAIを使っているアプリケーションでは、プロバイダーを変更する前に評価したい低価格モデルです。特に、移行による基本的な節約額が月数ドルにとどまるなら、既存の検証処理やフォールバックの仕組みは資産になります。注意すべきなのは、推論量やツールの反復を制御できているかです。単価が低くても、課金トークン数に上限が付くわけではありません。 Lunaのモデルドキュメント。
向いている用途: 既存のOpenAIアプリケーション内で、範囲を限定したタスクを処理する場合
特徴: プロバイダー固有の運用を作り直さずに試せる低価格候補
料金: 短いコンテキストの料金帯で、100万トークンあたり入力$0.10、出力$0.50から
無料トライアル: 掲載費用からプロモーションクレジットは差し引いていません
- 今回のStandard・Batchの処理例では、短いプロンプトのHaikuと同額
- 構造化出力と推論量の調整に対応
- キャッシュ読み込みで共通コンテキストの再送費用を抑えられる
- キャッシュ作成には別の高いトークン単価が適用される
- 入力272Kトークンを超えると、リクエスト全体の料金が変わる
- 関数呼び出しの条件がResponsesとChat Completionsで異なる
ツールを使うワークフローについて、モデルのページではResponsesの利用を案内しています。Chat Completionsで関数呼び出しを使うには、reasoning_effortをnoneに設定する必要があります。評価記録には、エンドポイントと設定も残してください。「同じモデル」であっても、推論やツールの設定が違えば、運用面で同じ実験にはなりません。
短い分類タスクでは、検証を通る最小限の推論量から始めます。コードの変更案では、追加トークンを払うだけの合格率向上が得られる場合に限って、推論量を増やします。これらは料金ページから結論を出せることではなく、自分のテストセットで判断する必要があります。
5. Anthropic:プロンプトの料金帯を守ってClaudeを安く使う
Anthropicは、Claude Haiku 5.5を分類、振り分け、抽出、サブエージェント向けに位置付けています。短いプロンプトの単価がLunaと同じなので、既存のClaudeアプリケーションでは早い段階で評価したい候補です。どちらもタスクに合格し、移行しても運用上の利点がないなら、今の連携を維持できます。気を付けるべき境界は、プロンプト100,000トークンです。新たに送る内容だけでなく、キャッシュから読み込む分も数えます。 Haikuの概要、料金の適用条件。
向いている用途: 既存のClaudeワークフロー内での分類と抽出
特徴: 短いプロンプトではLunaと同額。Batchとキャッシュの割引を併用可能
料金: プロンプト100,000トークンまで、100万トークンあたり入力$0.10、出力$0.50から
無料トライアル: ドキュメントには少額のテスト用クレジットの記載がありますが、金額は固定されていません
- 短いプロンプトの基本的なトークン費用はLunaと同額
- Batchとプロンプトキャッシュの割引を組み合わせられる
- 用途を限定した大量処理を、提供元が明確に想定している
- 長いプロンプトは、大幅に高い料金帯へ移る
- キャッシュ書き込みと保持時間が請求額に影響する
- アダプティブ思考が初期設定で有効なため、表示される回答の長さだけでは予算を把握できない
短いラベルを返す処理と、履歴が積み重なるコーディングの会話は、同じモデルで始めても異なる料金帯に行き着くことがあります。プロンプトの長さは、月平均だけでなくリクエストごとに記録してください。平均が低くても、一部に高額な長文コンテキストの呼び出しが隠れている可能性があります。
料金体系全体はClaude APIの料金ガイドで扱っています。ここでの判断は、より限定的です。範囲の明確なステップでHaikuを評価し、合否基準を満たすために必要なら、より強力なモデルをフォールバックとして残します。モデルが対応するコンテキスト長と、最安単価が適用されるコンテキストの範囲を混同しないでください。
6. DeepSeek:共通コンテキストの再利用と時間を選べる処理に
DeepSeekは現在、deepseek-flashとしてDeepSeek V4.1 Flash-1017を提供しています。JSON出力、ツール、大きなコンテキストウィンドウに対応しています。共通のコンテキストを使い、オフピークに実行できる処理では、評価する価値があります。既存のDeepSeek向けプロンプトがすでに合格しているなら、なおさらです。ただし、上記のキャッシュなしの処理では最安にならず、非常に低いキャッシュ読み込み単価でも、出力の多いリクエストすべてを割安にできるわけではありません。判断を左右するのは、実行時間帯、キャッシュミス、出力の長さの組み合わせです。 現行モデルと料金。
向いている用途: 共通コンテキストの再利用、実行時間を柔軟に決められるキュー
特徴: キャッシュヒット時の低い入力単価と、明示されたオフピーク時間帯
料金: オフピークは100万トークンあたり入力$0.15、出力$0.60から
無料トライアル: この比較では、常設の無料枠を前提にしていません
- 入力を再利用する際のキャッシュヒット単価が公開されている
- JSON出力とツール呼び出しが公式に記載されている
- 柔軟に処理できるキューなら、安い時間帯を狙える
- ピーク時には、対象モデルのトークン単価が2倍になる
- キャッシュなしでは、基準にした3つの費用比較すべてで他候補に負ける
- 古いAPIエイリアスを使い続けても、昔の価格は維持されない
アカウントや利用方法を含めた判断には、DeepSeekの料金ガイドを参照してください。スケジュールを組む場合は、各リクエストで課金に使われた時間帯と、実際にキャッシュヒットしたトークン数を記録します。創業者が過去の文書をまとめて処理するならオフピークに移せますが、顧客とのリアルタイムの会話は、顧客が来たときに動かす必要があります。
費用の記録には、deepseek-flashと、その時点で提供されているバージョンを残してください。公式ページによると、旧Flashエイリアスも現在のモデルと料金に解決されます。古い設定にモデル名の文字列が残っていても、価格が固定されるわけではありません。
7. xAI:安さのイメージより、コーディングへの適性で選ぶ
xAIの現行の公開料金表では、Grok Build 0.1が最も低価格のテキストモデルです。関数呼び出し、構造化出力、推論に対応した、コーディング向けのモデルです。作業との相性によって呼び出し単価の高さを正当化できそうなら、候補に加え、自分のタスクでその根拠を確かめます。今回の「安いAPI」という観点での制約は明確です。他の候補より費用が高く、モデルのページにはBatch非対応と記載されています。 Grok Buildのモデル情報、xAIの現行料金。
向いている用途: 合格する成果物を得るうえでの優位性が確認できたコーディングワークフロー
特徴: ツール機能が公式に記載された、コーディング向けの候補
料金: プロンプト200Kトークン未満で、100万トークンあたり入力$1.00、出力$2.00から
無料トライアル: サブスクリプション付帯クレジットや試用枠は前提にしていません
- 関数呼び出しと構造化出力が公式に記載されている
- キャッシュ入力の単価が個別に公開されている
- 同じ合否基準で評価できる、コーディングに重点を置いた選択肢
- トークン数をそろえた3つの処理で、費用が最も高い
- Grok Build 0.1はBatchに対応していない
- 長いプロンプトでは、リクエスト全体に高い単価が適用される
以前のGrok Fastモデルの価格を記憶だけでこのモデルに当てはめないでください。推奨の根拠は、現在の公式料金表です。自分のアカウントで別のモデルや個別契約の条件を利用できるなら、置き換える前に、それらの費用を明示的に計算します。
xAIを選ぶ妥当な理由は、自分の作業でコーディングステップの失敗ややり直しが減ることです。本記事では、その優位性は検証していません。それが確認できない限り、掲載したトークン費用からは、単純な問い合わせ分類や要約の標準モデルにする理由は見いだせません。
用途別に、どのAPIから試すべきか
タスクに合格する中で最も安い方法を選び、完了した成果を継続して測定します。 最初の候補は、タスクの制約に合わせて決めます。
問い合わせ分類なら、価格面ではGroqを最初に評価し、出力を限定する別の候補としてMistralも検討します。許可したラベルを返すことと、確実にレビューへ回せる経路を求めてください。すでにOpenAIやClaudeで動いているなら、見込める小さな節約額と、切り替えに必要な開発時間を比べます。
文書要約なら、PDFや複数メディアの入力によって別の前処理を省ける場合はGeminiを試します。文書がすでに整ったテキストならGroqが候補です。文章の巧みさより、必要な事実を網羅し、例外を残せているかを評価します。相互に依存しない未処理の文書は、期限が許せばBatchに回してください。
コーディングエージェントの1ステップなら、現在保守している連携の中でLunaかHaikuから始めます。価格重視の候補にGroq、共通コンテキストの再利用や時間指定の処理にはDeepSeekを加えます。コーディングへの適性を試す理由があるならGrok Buildも候補です。入力単価の低さだけでは、作業に必要なツール反復の回数は分かりません。

最初は安いモデルでも、選び直すべき条件とは
安い初回呼び出しの失敗によって処理全体が高くなるなら、別の方法へ切り替えます。 ここでは、仮定のコーディングワークフローを考えます。安い呼び出しが$0.0021、上位モデルへの切り替えに追加で$0.003かかるとします。タスクの40%で切り替えが発生し、フォールバックが毎回成功するなら、完了1件あたりの平均トークン費用は$0.0021 + 0.40 × $0.003 = $0.0033です。
同じトークン数を仮定すると、これは最初から$0.003のモデルを使う費用を上回ります。損益分岐点は、上位モデルへの切り替え率30%です。これは振り分け方の計算であり、Groq、Luna、その他のモデルで実測した失敗率ではありません。再試行のプロンプトが長くなったり、人が修正したりすれば、分岐点はさらに低くなる可能性があります。
成功を数える前に、その定義を決めてください。分類なら、許可された正しいラベルを返すこと。要約なら、必要な事実が残ること。コーディングなら、意図した変更が合意済みのチェックを通ることです。応答が返っただけでは、タスクが完了したとはいえません。
ゲートウェイを使って処理経路を比較する場合は、そのサービス独自の料金条件も含めます。OpenRouterの料金ガイドでは、その利用形態を解説しています。本記事のプロバイダー別料金表には、OpenRouterや他の再販事業者の単価を使っていません。
比較対象と評価方法
本記事は、確認日を明示した料金比較と独自の費用分析です。実機検証による品質ベンチマークではありません。 英語版の作成時に、公式の料金ページと機能ページを確認しています。3つの処理をモデルに実行させたわけではなく、どの推奨にも、精度や応答時間で実測上の優位性があるという主張は含めていません。
候補は対象の7社から選んだ、現行の汎用・低価格テキストモデルです。ただし、xAIの現行の最安テキストモデルは、コーディング向けです。非推奨になったモデル群、見積もりが必要な価格、安全性判定専用の分類モデル、画像生成、音声、埋め込みは除外しています。機能や課金単位が異なるため、最安のテキストAPIという比較に混ぜると誤解を招くからです。
評価の軸は、通常の入力・出力費用、キャッシュとBatchの条件、必要な入力形式、プロンプト長のしきい値、合格する結果を得るまでの作業量の5つです。2つ目の表ではトークン数を固定し、計算を再現できるようにしています。本番の見積もりでは、この数値をモデルごとの実際の使用量に置き換える必要があります。
本記事は、より広い範囲を扱う安いAI APIの比較を補うものとして、提供元の直接料金表と3つの用途別予算を示しています。料金トラッカー、集約サービス、再販事業者の単価は含めていません。公開価格は出発点です。個別契約やアカウント固有のモデル制限がある場合は、その条件で別途比較してください。
安さで選ぶときに避けたい使い方
避けるべきなのは、用途や条件に合わない選び方です。プロバイダー全体を除外する必要はありません。 次のような判断をすると、安く見える単価から誤った予算を作ってしまいます。
- Groq Llama 3.1 8Bを過去の公開単価で見積もる: 現行カタログでは営業への問い合わせが必要です。見積もりを取得するか、現在の公開単価があるGPT OSSを使います。
- 実測の利点なしに、単純な分類へGrok Buildを使う: 基準にした費用は今回の候補で最も高くなります。コーディング向けであること自体は、3つのラベルへ振り分ける作業の利点になりません。
- 長い会話にHaikuの短いプロンプト向け単価を当てはめる: キャッシュした履歴もプロンプトのしきい値に数えられます。リクエストごとに適用される料金帯を確認します。
- DeepSeekが常にオフピークになる前提で予算を組む: リアルタイムの需要は、高い時間帯にも発生します。顧客が実際に利用する時間で計算してください。
- 1回しか読まない文書にGeminiの明示的なキャッシュを使う: 保存料と初回処理料がかかる一方、再読み込みがなければ割引による節約は発生しません。
- 検証せずにMinistralを自律的なコーディングへ使う: 出力単価の低さは、範囲を絞ったタスクで評価する理由になりますが、すべての変更案が正しいという証拠にはなりません。
- Batchに適した未処理データをStandardで処理する: 時間に余裕があるなら、モデルやプロバイダーを変える前に、公式に用意されたBatchを比較します。
LLM APIの無料枠と料金比較でよくある質問
LLM APIの料金は何を比較すればよいですか?
モデル名をそろえ、入力、課金対象の出力、キャッシュ読み込み、キャッシュ作成または保存、Batch、プロンプト長による料金帯を比較します。本記事のキャッシュなしの3例ではGroqが最安ですが、出力が増えるとMistralが有利になる場合があります。実際のアプリケーションの請求額は、結果の合格率、トークン分割、再試行によって決まります。
開発者が無料で使えるLLM APIはありますか?
GoogleはGemini 2.5 Flash-Liteに無料枠を設けています。上限やコンテンツの利用条件は有料枠とは異なります。評価には機密情報などを適切に除去したデータを使い、顧客向けの処理を無料枠に依存させる前に、有料で動かした場合の予算を見積もってください。
LLM APIを無料・無制限で本番利用できますか?
本記事が参照した料金情報には、無料かつ無制限で本番利用できるサービスを裏付けるものはありません。無料アクセスは、独自の条件が付いた評価用の選択肢として扱います。根拠のない「無制限」という前提よりも、有料のトークン単価と実測したリクエスト量のほうが、本番予算には役立ちます。
月曜に始めるなら、まず1つの機能を測定する
月曜に着手するなら、システム全体を変える前に、1つの機能を測定します。 代表的なリクエストを抽出し、実際の入力と課金対象の出力を数え、現在の処理方法と、使えそうな最安候補を比べてください。合否基準は同じに保ち、再試行、キャッシュ書き込み、ヒット、ツール費用を記録します。
分類では、許可したラベルを厳密に守らせます。要約では、事実と例外を確認します。コーディングステップでは、パッチと関連テストの結果を求めます。合格したタスクの種類だけを移行し、フォールバックを残してください。計算と一緒に料金の確認日を保存しておけば、評価全体を繰り返さずに予算を更新できます。
モデルを変更する前に、AI業務ワークフローの監査チェックリストで、対象機能の入力、合否の確認項目、フォールバックを整理してください。
- 公開日
- カテゴリー
- Build
- 言語














