Lyria 3.5とLyria 3 Clipを比較:料金・用途・選び方

Lyria 3.5とLyria 3 Clipの違いを、料金、生成時間、構成力、API運用の観点から比較します。30秒の試作にはClip、60秒を超える一貫した楽曲にはフルソングモデルが向く理由と、$0.04/$0.08の価格分岐、実務で使える2段階ワークフローをわかりやすく解説します。

Friday, September 4, 2026Omid Saffari
Lyria 3.5とLyria 3 Clipを比較:料金・用途・選び方

Lyria 3.5とLyria 3 Clipのどちらを選ぶかは、必要な楽曲の長さと制作段階で決まります。30秒の素材や低コストで音楽の方向性を探る用途ならClip、ヴァース、コーラス、ブリッジをまたいで一貫性を保つ楽曲や長尺編集ならフルソングモデルが適しています。現在のAPI料金はClipが1リクエスト$0.04、フルソングが$0.08です。ただし、Googleが実際に使っているモデル名は「Clip対Pro」という検索語ほど単純ではありません。

Lyria 3.5とLyria 3 Clip、どちらを選ぶべきか?

納品物が30秒以内、または音楽の方向性がまだ固まっていないならClipを選びます。アレンジそのものが成果物の一部なら、フルソングモデルが適切です。つまり、SNS用のBGM、短いジングル、ループ、候補曲の試聴にはClip。展開のある製品映像、構成が必要なポッドキャストテーマ、キャンペーンアンセム、イントロ、ヴァース、コーラス、ブリッジ、エンディングまで意図的につなげたい楽曲にはフルソングです。

判断軸Lyria 3 ClipLyria 3.5フルソング
現在のAPI料金1リクエスト$0.041リクエスト$0.08
長さ30秒固定数分程度。プロンプトの影響を受ける
決め手低コストで音楽の方向性を試聴できる長さ、タイムスタンプ、セクション構成を指示できる
最適なビジネス用途短尺広告、ループ、バンパー、プレビュー長尺編集、完成形に近い楽曲ドラフト
致命的な制約単体では一貫したフルソングにならない1つの方向性を試すだけでも費用が2倍になる

Google Lyria 3 Clipは、現在lyria-3-clip-previewとして案内されている短尺向けモデルです。出力は30秒固定のMP3。チームが1案に決める前に8つの方向性を聴き比べたい場面では、この短さが強みになります。不採用案を小さく、安く試せるからです。

Lyria 3 Clipプレビューモデルを掲載するGoogle AI for Developersのページ
Google Lyria 3 Clipのモデルページ

方向性が決まる前に、長さへ費用をかける必要はありません。クリーンなエレクトロニック、温かみのあるアコースティック、緊張感のあるオーケストラのどれにするかを選ぶ段階で、完成曲を何本も用意するのは過剰です。短いサンプルでも、フック、音色、テンポ、ボーカル処理を聴けば、多くの場合は判断できます。

Lyria 3.5は、現在lyria-3.5として案内されているフルソングモデルです。メロディーを再登場させ、エネルギーを高め、各セクションを分断された断片ではなく適切なタイミングで展開させる必要があるなら、追加の4セントを払う価値があります。

Lyria 3.5フルソングモデルを掲載するGoogle AI for Developersのページ
Lyria 3.5フルソングモデルのページ

判断の分岐点は60秒です。それより短ければ、Clipが安くて用途にも直結します。60秒では、Clipを2回生成しても、フルソングを1回生成しても$0.08です。それを超えると、30秒の生成結果を積み重ねるより、成功したフルソング1回のほうが安く、しかも1本の音楽的な流れを維持できます。

Lyria 3.5 ClipとProという呼び方の実態

現在公開されているAPIに、Lyria 3.5 ClipとLyria 3.5 Proという2つのエンドポイントはありません。Googleのガイド、変更履歴、モデルページ、料金ページを2026年9月4日に確認した時点では、短尺版は引き続きLyria 3 Clipで、モデルIDはlyria-3-clip-previewです。新しいフルソング版はLyria 3.5で、モデルIDはlyria-3.5です。一方、Googleのガイド本文では後者を今も「Pro model」と説明しているため、エンドポイント名とはきれいに一致しなくても、この検索語には根拠があります。

実装では、この違いを曖昧にできません。企画書に書くモデル名なら多少の省略は許されても、APIリクエストのモデルIDは正確である必要があります。現在の公開ページにないlyria-3.5-clip-previewlyria-3.5-pro-previewを前提にすると、実在しない名前を中心にワークフローを構築することになります。

Googleの9月3日付リリースノートでは、フルソング生成用のlyria-3.5がパブリックプレビューとして発表されています。同じ変更履歴には、従来のClipとProの組み合わせが3月25日付で記録されており、現在のガイドは既存のClipエンドポイントと新しいLyria 3.5フルソングエンドポイントを組み合わせて紹介しています。したがって、実用上の比較軸は、名称が整った2つの3.5ティアではなく、短い反復試作とフルソング制作です。

Lyria 3.5の料金と60秒の損益分岐点

Clipは1リクエスト当たりの料金が安く、必要な楽曲が1分を超えると、生成1分当たりではフルソングモデルのほうが安くなります。2026年9月4日に確認したGoogleの現行料金ページでは、どちらにも無料API枠は記載されていません。Lyria 3 Clip Previewは1曲$0.04、Lyria 3.5 Full Songは1曲$0.08です。

100リクエストなら、Clipは$4、フルソングは$8です。実験予算の比較には役立ちますが、出力時間が異なるため、成果物同士の公平な比較ではありません。必要な素材の長さにそろえると、次のようになります。

  • 30秒のSNS用BGMは、Clipなら$0.04、フルソングモデルなら$0.08です。Clipが勝ります。
  • Clipを2回生成してつないだ60秒のBGMは$0.08です。フルソング1回も$0.08なので価格は同じですが、構成面ではフルソングが有利です。
  • Clipを4回生成してつないだ120秒の楽曲は$0.16です。成功したフルソング1回なら$0.08で、コストと一貫性の両方でフルソングが勝ります。

この計算は再試行がなく、1回のフルソング生成で目標の長さに届くことを前提としています。また、無関係な2つの30秒出力をつなげれば1曲になる、と見なしているわけでもありません。計算が示すのはリクエスト費用の分岐点です。セクション同士をつなぐ必要が生じれば、制作上の制約によってフルソングを選ぶ理由はさらに強くなります。

30秒、60秒、120秒におけるLyria ClipとフルソングAPIの料金を比較した棒グラフ
再試行がない場合、リクエスト料金の損益分岐点は60秒です。

予算の使い方としては、ファネル型が合理的です。Clipで8つの音楽的方向性を$0.32で試聴し、最終候補2案を追加の$0.16でフルソングにします。合計は$0.48です。8案すべてを最初からフルソングで試すと$0.64かかるため、このハイブリッド方式なら再試行前の時点で$0.16、つまり25%を節約できます。

これをスケッチから完成曲へのゲートと考えてください。安価な短尺出力で、長尺化する価値のある方向性を選びます。これは単なる4セントの最適化ではありません。最初の10秒でジャンル、声、楽器編成が違うと分かる完成アレンジを、レビュアーが最後まで聴く無駄も防げます。

カテゴリ別の勝者:60秒未満はClip、60秒を超えるならLyria 3.5フルソングです。 ちょうど1分で価格が並ぶ場合は、リクエスト料金ではなく一貫性を基準に判断します。

反復スピード:候補の試聴はClipが有利

Clipは範囲が30秒に固定されるため、クリエイティブの反復に向いています。各案を同じ条件で比較できるからです。Googleは現在の2エンドポイントについてレイテンシーベンチマークを公表していません。ここでいう「速い」とは、サーバー処理が速いという主張ではなく、生成、確認、ラベル付け、不採用判断までを短い素材で済ませられるという意味です。

ブランドチームが30秒の製品ティザーを編集する場面を考えます。サウンドトラックを、精密、遊び心、高級感、緊迫感のどれに寄せるかは、まだ決めなければなりません。この段階では、完全なヴァースやブリッジがあっても判断材料は増えません。長さを固定した8つの候補なら、ジャンル、BPM、キー、楽器編成、ボーカル処理を同じ時間枠で比較できます。

仕上がりを見極める基準は、冒頭が映像編集に合っているかです。最初のビートが明確か、台詞を入れる余白があるか、製品公開へ向けた盛り上がりが使いやすいか、途中で切っても不自然にならない終わり方かを確認します。ループ用途なら、末尾から冒頭へ戻したときに明らかな和声の飛躍がないかも確認します。範囲が限定されたこの用途なら、編集と権利確認を経たClipは納品可能な品質になり得ます。

一方、時間経過による展開が作品の要件になると、Clipはムードボード止まりです。魅力的な30秒の質感が得られても、コーラスで十分に盛り上がるか、2番のヴァースに知的な変化があるか、2分間の流れが一貫するかは証明できません。それをフルソングの解決策として承認するのは、色見本を完成したブランドアイデンティティとして承認するようなものです。

カテゴリ別の勝者:Lyria 3 Clipです。 音楽の方向性が承認される前は、その制限こそが効率の源になります。

制御と一貫性:アレンジはProが有利

時間そのものがデザイン要素になった時点で、フルソングモデルが優位になります。Googleの音楽生成ガイドには、[Intro][Verse][Chorus][Bridge][Outro]といったセクションタグに加え、楽器、歌詞、エネルギー変化を入れる時点をモデルへ伝えるタイムスタンプが記載されています。ジャンル、楽器、BPM、キーまたはスケール、ムード、独自の歌詞、想定時間も指定できます。

この制御は、90秒の製品映像で実用的です。冒頭はナレーションの余白を残し、機能を見せる場面でビートを広げ、最後のフレーズをロゴの下で着地させられます。一般的なプロンプトが伝えるのはムードです。構造化されたプロンプトなら、タイムラインの中で音楽が果たす仕事まで指定できます。

ただし、制御は編集とは異なります。Googleは音楽生成をシングルターンの処理としても説明しています。返された楽曲に対し、2番目のコーラスだけを弱めるよう追加のターンで依頼することはできません。次のリクエストは新しい生成となり、同じプロンプトでも結果が変わる可能性があります。部分修正ではなく、テイク全体を単位にレビューを設計します。

だからこそ、プロンプトは詩的な表現より構造が重要です。実用的なブリーフは、最初に納品物、次に音楽的な文法、最後にタイムラインを記します。

112 BPM、Dマイナーによる90秒の製品映像向けインストゥルメンタルスコア。ミュートしたアナログベース、ドライな電子ドラム、明るいアルペジオシンセを1つ使用。0:00-0:12はナレーション用に音数を抑え、0:12でパーカッションを追加し、0:42で最大の盛り上がりへ到達。1:05で抑え、1:30までに明確に終える。ボーカルなし。

タイムスタンプを入れても、採用できるテイクが保証されるわけではありません。ただし、失敗の原因は言語化しやすくなります。盛り上がりが遅かった、ナレーション部分が混み合った、とレビュアーが指摘し、次のテイクでは1つの指示だけを修正できます。

Lyriaフルソング生成:Proへ切り替えるべき場面

フルソングが有効なのは、一貫した1本の音楽的な流れが、2倍のスケッチ数より価値を持つ場合です。一般には、60秒を超える納品物、繰り返し現れるメロディー、時間指定されたセクション、独自の歌詞、ループではなく解決感のある終わり方が必要なケースです。

編集者が1つのファイル内に複数の選択肢を必要とする場合も、フルソングモデルのほうが安全です。一貫したイントロ、低エネルギーのヴァース、高エネルギーのコーラス、明確なアウトロがあれば、無関係な生成結果をつなぎ合わせなくても、複数の編集ポイントを使えます。MP3はステムや編集可能なセッションより制約のある受け渡し形式ですが、構成された1本のトラックは、分断された4つのクリップより制作素材に近いものです。

カテゴリ別の勝者:Lyria 3.5フルソングです。 追加料金で得られるのは、単なる秒数ではなく、アレンジの範囲と制御です。

仕事に合うAI音楽生成APIのワークフローは?

APIは運任せの生成機ではなく、2段階のクリエイティブレビューシステムとして使います。Google自身も、Lyria 3.5でフルソングを生成する前に、Clipエンドポイントで反復することを推奨しています。最も堅実なワークフローでは、両段階で同じ音楽ブリーフを使い、長さと構成のレイヤーだけを変えます。

1つの製品ローンチ用ブリーフを、改善前後で見てみます。弱い最初のプロンプトは「製品動画向けに、アップビートでモダンな音楽を作る」です。ジャンル、テンポ、調性の中心、楽器編成、ボーカルの方針、編集ポイント、終わり方が決まっていません。どんな結果にも理由を付けられるため、フィードバックが曖昧になります。

改善したClip用プロンプトは次のとおりです。「112 BPM、Dマイナーで、ミュートしたアナログベース、ドライな電子ドラム、明るいアルペジオシンセを1つ使う、30秒の製品ティザー向けインストゥルメンタル。正確で自信のある印象だが、攻撃的にはしない。明確に始まり、12秒で盛り上げ、解決感のある一打で終える。ボーカルなし」。これは結果が良くなると断言するものではありません。明示した基準に沿って特定の方向性を評価できるため、テストの質が上がります。

  1. 合格基準を先に決める

    生成前に4つの確認項目を書きます。最初のビートが編集を支えること、台詞の余白があること、映像の見せ場で盛り上がること、終わりをきれいに切れることです。ボーカルなし、レトロなドラム音なし、といったブランド固有の除外条件も加えます。

  2. Clipで候補を試聴する

    長さは30秒のままにします。製品映像で果たす役割は固定し、各ラウンドではジャンル、楽器群、エネルギーなど、主要な変数を1つだけ変えます。各出力には任意のテイク番号ではなく、検証する選択肢が分かる名前を付けます。

  3. 採用した方向性をフルソングへ進める

    承認されたジャンル、BPM、キー、楽器構成、ムードをフルソング用プロンプトへ移します。セクションタグやタイムスタンプ付きイベントを加えるのは、この段階です。方向性の承認前に構成まで作ると、レビューの負担が大きくなるからです。

  4. 受け渡しデータを検査する

    MP3と、返された歌詞または構造テキストを一緒に保存します。編集者へ渡す前に、実際のサンプルレート、ラウドネス、冒頭と末尾、安全面で注意が必要な内容、依頼した全セクションの有無を確認します。

  5. ジェネレーターの外で仕上げる

    最終映像に合わせて、トリミング、レベル調整、配置、テストを行います。ステムが必要な仕事では、文書化されたAPIレスポンスがマルチトラックセッションではなく、MP3とテキストであることを明記します。

最初にLyria Clipを使うか、フルソングモデルへ進むかを判断するフロー
Clipで方向性を承認し、ブリーフで必要になった段階だけフルソングの構成へ費用をかけます。

30秒広告なら、出力が合格基準を満たせばClipで完了です。90秒の製品映像なら、Clipは音の方向性を選ぶためだけに使い、最終的な流れはLyria 3.5で生成します。ごく短いジングルにもClipが最も近い選択肢ですが、30秒の出力を短く編集する必要があります。リアルタイムのインタラクティブ音楽には、どちらも適しません。Googleは代わりにLyria RealTimeを案内しています。

Lyria 3.5 APIの出力ワークフローと制作上の不足点

現在の受け渡し形式は、完成したステレオ素材には十分ですが、細かな音楽制作には不足しています。どちらもGoogleのInteractions APIを使用し、テキストと画像を入力として受け取り、MP3音声と、歌詞または構造を示すテキストを返します。プロデューサーがボーカル、ドラム、ベースを個別に調整するようなマルチトラックセッションは提供されません。

第1の不足点は編集です。各生成はシングルターンなので、選んだClipを会話形式で同じ曲のまま延長したり、フルソングの一部だけを追加プロンプトで修復したりはできません。プロンプトは編集可能なプロジェクトファイルではなく、再利用できるブリーフとして扱います。

第2の不足点は大規模運用です。現在のClipフルソングのモデルページには、入力上限が131,072トークンと記載されています。一方で、Batch API、Flex inference、Priority inferenceは非対応です。カタログを定期的に一括生成したい製品や、優先処理を保証する経路が必要な製品は、標準のプレビューエンドポイントにその機能があると想定すべきではありません。

第3の不足点は、ドキュメント間の整合性です。統合ガイドでは現行2モデルが44.1 kHzステレオを生成すると説明していますが、現在も公開されているClipのモデルページでは、そのエンドポイントは48 kHz出力とされています。どちらか一方の記述を基に取り込みルールを固定してはいけません。返されたファイルのメタデータを読み、後工程で正規化し、原本を保管します。

GoogleはLyriaの音声にSynthIDを適用しています。同社によれば、この透かしは人には聞こえず、MP3圧縮、ノイズ追加、速度変更といった一般的な加工を経ても検出できるよう設計されています。来歴確認には役立ちますが、独自の素材台帳、プロンプト記録、素材の権利確認、開示方針の代わりにはなりません。

GoogleのAPI利用規約では、生成コンテンツの所有権を同社が主張しない一方、合法的な利用と、必要になり得る帰属表示の責任はユーザーにあるとしています。有料のGemini APIに送ったプロンプトとレスポンスはGoogle製品の改善に使われませんが、安全性とセキュリティのための限定的なログ記録は残ります。ビジネス用途では課金済みのCloudプロジェクトを使い、「Googleが所有権を主張しない」という文言を、独占性や権利侵害がないことの保証と取り違えないでください。

カテゴリ別の勝者:どちらでもありません。 共通のInteractions APIとMP3での受け渡しは分かりやすいものの、両方ともプレビュー段階の制約を抱えています。Clipは、範囲の限られた短尺素材ならレビュー後に納品可能です。フルソングモデルも、ステレオのドラフトや重要度の低い最終BGMなら納品に使えますが、象徴的な楽曲、ステムが必要なリリース、厳密にミックスされたクライアント向けマスターには、API外の制作工程が必要です。

単発の楽曲ではなく、再利用できるサウンドアイデンティティが本当の要件なら、ElevenLabs Music Finetunes APIによるアプローチと比較してください。生成曲を完成した映像へ組み込むなら、AI音楽動画ジェネレーターの比較で後工程の組み立て方を確認できます。

ClipからProへ切り替えると何が変わるか

モデルを切り替えても保存データへの影響はほとんどありませんが、ワークフローは見た目以上に変わります。どちらもInteractions APIを使うため、基本的なリクエストとレスポンスの流れは共通です。変わるのは、プロンプト、素材の受け渡し要件、レビュー基準です。

まず、承認済みのClip用プロンプトを基準として保存します。ジャンル、BPM、キー、楽器編成、ムード、ボーカル方針をフルソング用ブリーフへ引き継ぎます。そのうえで、長尺素材に必要な構成、つまりセクションタグ、タイミング、エネルギー変化、明確な終わり方を追加します。

次に、設定を通じてモデルIDを変更します。短尺エンドポイントはlyria-3-clip-preview、現在のフルソングエンドポイントはlyria-3.5です。どちらもプレビュー段階の名称なので、複数のサービスにIDを直書きすると、Googleが再び契約を変更した際に不要なロックインが生じます。

最後に、品質保証を見直します。Clipのレビューでは、1つのアイデアが30秒間機能するかを確認します。フルソングではさらに、モチーフが一貫して戻るか、トランジションに意味があるか、歌詞が使用可能か、中盤が単調にならないか、終わりが解決しているかを確認します。追加で必要になる試聴と編集判断こそ、実際の切り替えコストです。

選んだClipとの連続性は期待できません。マルチターン編集に対応していないため、フルソングの呼び出しは、まったく同じ音声の延長ではなく、そのブリーフを使った新しい演奏です。承認済みClipは方向性のリファレンスにすぎません。メロディーやボーカルの演奏を正確に一致させる必要があるなら、このワークフローではその橋渡しを保証できません。

切り替えるべきでないのは、どのような場合でしょうか。納品物がすべて短いSNS用BGM、ループ、バンパー、プロトタイプならClipを使い続けます。決定論的な再生成、ネイティブなステム、文書化されたバッチ処理経路、優先推論、1セクションだけの修復が必要なら、どちらのエンドポイントも基盤にすべきではありません。これらはワークフロー上の要件であり、長尺モデルがDAWのように振る舞うことへ期待を寄せても解決しません。

ベンチマークで証明されていること、いないこと

同じ30秒のブリーフで、フルソングモデルの音質がClipより優れていると証明する現行ベンチマークはありません。GoogleのLyria 3.5モデルカードでは、自社の人手評価と自動評価により、Lyria 2から音声忠実度が大幅に向上し、歌詞に対するプロンプト追従性も改善したとしています。ただし、数値スコアも、短尺版とフルソング版の直接比較も公開されていません。

これはベンダー自身による評価であり、独立した比較ではありません。AI音楽の均質化を扱った2026年の学術監査も、複数ジャンルでLyria 3とSunoを比較したもので、現在の短尺版とフルソング版の組み合わせを検証した研究ではありません。その結論を、この選定に転用すべきではありません。

誠実な選定基準は、運用上の結果です。自社が権利を持つブリーフを使い、必要時間への適合、構成指示への追従、使える編集ポイント、不採用率、後工程の負担を評価します。独立した評価者が両方の現行エンドポイントで同一プロンプトと完全な出力を公開するまでは、普遍的な音質の勝者を決めても推測にしかなりません。

月曜日に実行すること

月曜日には、実際の30秒キャンペーン映像を1本選び、APIを開く前に4つの合格基準を書きます。重要な変数を1回に1つだけ変えて、Clipで8つの方向性を生成します。同じ評価基準に合格した場合に限り、最良の2案を残します。

最終成果物が短尺なら、採用したClipを仕上げて編集へ渡します。キャンペーンに長い製品映像やテーマ曲も必要なら、その2つのブリーフをタイムスタンプ付きの構成とともにフルソングモデルへ進めます。8つの試聴案と2つのフルソング最終候補にかかる基本生成費用は$0.48です。

各MP3を、そのプロンプト、返された構造テキスト、モデルID、生成日と一緒に保存します。サンプルレートを決めつけず、ファイルのメタデータを確認します。音楽単体ではなく、映像に合わせて評価してください。モデル自体がマルチターン編集や決定論的な再実行に対応していなくても、これでチームに再現可能な判断履歴が残ります。

よくある質問

ビジネス音楽にはLyria 3.5 ClipとProのどちらを使うべきですか?

30秒の音楽的な方向性、短尺広告のBGM、ループ、バンパー、プレビューを承認する用途にはClipを使います。納品物が60秒を超える場合、時間指定したセクションが必要な場合、または一貫した1つのアレンジが必要な場合は、現在のLyria 3.5フルソングエンドポイントを使います。

Lyria Clipでフルソングを生成できますか?

できません。Googleの現行ガイドでは、Clipエンドポイントの生成時間は常に30秒です。複数のクリップを編集でつなぐことはできますが、それぞれ別の生成結果であり、1回のフルソングリクエストのような一貫性は得られません。

Lyria 3.5の楽曲はどのくらいの長さですか?

Gemini APIガイドでは、プロンプトの影響を受けつつ、数分程度の楽曲を生成すると説明しています。Google DeepMindの総合製品ページには最長3分の楽曲が掲載されていますが、APIドキュメントに明記されるまでは、正確なAPI保証として扱うべきではありません。

Lyria ClipとProの料金差はいくらですか?

現行の有料API料金は、Lyria 3 Clipが1リクエスト$0.04、Lyria 3.5フルソングが1リクエスト$0.08で、無料API枠は記載されていません。Clipはリクエスト料金が半額です。1回のリクエストで目標時間に届くなら、60秒の分岐点を超えると、生成1分当たりではフルソングのほうが安くなります。

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最終更新

2026年9月4日

カテゴリーDesign

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